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2019年5月 8日 (水)

ボーン・ミュージック展

~ わさくの悪知恵 223 ~

時が平成から「令和」に移った去る5月1日、雨が降る都心での少し変わったテーマの展示会に行ってきた。

「ボーンミュージック展」なる催しだ。ジャンルは私の好きな「音楽」である。

さて、ボーンミュージックとは?

『1940年代から60年代の冷戦時代のソビエト連邦(現在のロシア)で音楽を含むすべてのカルチャーが、国家によって検閲され、コントロールされていた。

当時アメリカのジャズ、ロックンロールや一部のロシア音楽を聴くことを強く禁止していて、もし見つかれば間違いなく‶刑務所行き″という今では信じられない環境のなかで、リスクを犯してでも、どうしても好きな音楽を聴きたかったアンダーグラウンド・サブカルチャーシーンの音楽ファン達。

彼らは何と病院で不要となった【レントゲン写真】に自作のカッティングマシンを使い音楽を録音し、「ボーン・レコード」を制作した。これがボーンミュージックの始まりだ。』

そう、今では云われることもなくなった「海賊盤」(Bootleg)の走りだと私は勝手に理解したのだが・・・

その昔、私も中学生時代「海賊盤」に興味があり、小遣いを貯めてはビートルズのライブの海賊盤を買っていた時代を思い出す。(当時ビートルズのライブ録音は正規盤では販売されていなかったため)

でも、ボーンミュージック製作者の「情熱・熱意」とはレベルが違い過ぎる。

このボーンレコードは2つの製造方法があり、「ソノシート」にプレスされる大量生産方式と、特殊なカッティングマシンで1枚ずつカッティングされるもの。1枚ずつのカッティングとは気の遠くなる作業だと察する。

いづれにしても、想像できるように「音質」は劣悪だったという。展示会ではその音源のいくつかを聴くことができた。またその「骨」の図柄の入ったレコードは今見るとアート作品としても結構いけていると思う。

Bone-music_1

しかしながら、1959年にソ連邦の最高指導者ニキータ・フルシチョフが米国を訪問し文化の「雪解け」時代の到来で「磁気テープ録音」が一般的に普及する。

最長20分に及ぶ良質な録音が可能な機器の登場で、レントゲンフィルムによる面倒な製作はなくなりあっけなくその幕を閉じていくことになる。政府の規制強化ではなく新技術でとは皮肉なものだ。1964年ごろからはもうボーンレコードの制作はされなくなったと云われている。

主催者がこの展示会で最も伝えたいことは次のようなことだ。

「いかに音楽が大切なものであるか」=「我々は今、どんな音楽でも、いつでもどこでも自由に聴ける環境にいる。本当に素晴らしいことだ。でもボーンミュージックの時代は違った。音楽が簡単に手に入る今、どれだけ音楽が大切か、どれだけ我々が恵まれているかなんて、あまり考える機会はないよね。」と。

音楽産業界はちょうど時代が昭和から平成に時代が移る頃に「アナログレコード」から「CD」への移行がピークだったと記憶する。平成の時代はそこから「クラウドダウンロード」へと、そして現在は「ストリーミング」が主流に?

新時代「令和」はさらにどんな方向に行くか興味深い。

そんなことも考えさせてくれた展示会だった。

展示会のWebsite

<参考資料> 「ボーンミュージック展」での各々の説明、解説文

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