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2018年9月29日 (土)

「ディスる」をちょっと考えた  

~ soji の今日もワクワク 243  ~

「大坂なおみ 全米オープンテニス優勝!!」

男女合わせて日本では、4大大会シングルでタイトルを獲得した初の快挙だそうです。にわかに盛り上がる中、私が着目したのは、彼女の名字「大坂」でした。

エッセイ仲間、さかもっちゃんと、とあるセミナーに出席した時のこと。30人ほどいる参加者が一人一人自己紹介することになりました。

「サカモト」と名乗る若い男性。まだ大学生だそうです。

「えーっと、サカモトのサカは、こざとへんのサカです。つちへんのサカは、土に反(かえ)るといって縁起が悪いので、こざとへんにしたそうです」

その後に回ってきたのが、我らがさかもっちゃん。

「えー、縁起の悪い方のサカモトです」

阪本君の言う理由で、明治維新後に大阪府が出来る際、「大坂」は「大阪」に変更されたとか。おそらく彼が得意にしていた自己紹介の決まり文句だったのでしょう。

さかもっちゃんの自己紹介で場内大爆笑。バツの悪そうな阪本君。まさか縁起の悪い坂本さんがいるとは思わなかったに違いありません。まだ大学生だからよかったものの、社会人だったら、大変なひんしゅくものです。

同じような失敗は私にもあります。

「sojiさんは、あまり白髪が目立たないですね」と言われ、

「おかげさまで。でもだいぶ薄くなっちゃって」

答えた瞬間、同席者の中に若ハゲの姿が。その方が私の言葉にカチンと来たかは定かではありません。しかしその後私は、実に居心地の悪い時間を過ごすこととなりました。

「ディスる」という言葉をよく耳にします。否定する、反対する、の意味ですが、最近は小ばかにする意味で使われることが多いようです。

漫才でボケに対するツッコミが、小ばかにしているように聞こえるせいか、普通の人でもディスっているような会話をよく聞くようになりました。

中には過剰反応をする人がいます。こちらに悪意がないにも関わらず、その言葉尻をとらえて怒る人。ディスられていると被害妄想的に考え、敵意をむき出しにする人です。

「今日は雨か。いやだなあ」⇒「雨の中で仕事をする俺をバカにしているのか」

「一時間に二本しか電車が無いのか」⇒「こんな田舎で悪かったね」

「もうこんな時間になっちゃった」⇒「すいませんね、仕事が遅くて」

ひどいのは、コンビニでの話。

「お箸をお付けしますか」⇒「俺に手で食えっていうのかよ」

ここまで来ると病んでいるようにしか思えません。まあ本当に心が弱っている時は、知らぬうちに世の中のみんなが自分をディスっている気になるものですが。

最近は特に、言葉には気を付けなければいけないと感じます。言葉には霊が宿る「言霊」があると、昔から言われてきました。ですからネガティブな言葉は出来るだけ使わない。無理をしてでもこじつけでもポジティブな言葉に置き換えるべきでしょう。

かの阪本君も、まず自己紹介の前に「坂本」さんがその場にいないか確認するべきでした。「坂」に対するディスりネタですから、もしいたとしたら、速やかに内容を変える。それが社会人のマナーです。大学生のうちに補正しないとトラブルのもとになりかねません。

私の場合も、身体的なことは、極力触れないようにすればよかったのです。「ハゲ」はもちろん、「デブ」「チビ」「ブス」などなど、ディスる言葉はまさに豊富。これらは封印すべきでしょう。

でももし言ってしまった場合は、このことは一切触れずに、別の話題で盛り上げるなど、フォローを心がけるべきでした。

「今日は雨か」⇒「のどに優しいんだよね」

「一時間に電車が二本か」⇒「待っている間ゆっくり考え事が出来るな」

「もうこんな時間」⇒「まずはここまではかどったことに感謝しよう」

コミュニケーションの中にネットの比重がますます増加している現在、しゃべり言葉はおろそかになりがち。それだけに、言葉選びは慎重にしないといけません。たとえ独り言でもネガティブなのは極力控え、ポジティブな言葉で置き換えるのを習慣にするべきです。

優勝した大坂なおみ(敬称略)のスピーチ。ネガティブな言葉は発しないよう、相当気を使っているのがこちらにも伝わって来ます。だからこその優勝でしょうか。

まだ二十歳でも、すごいことをやり遂げる人の言葉は味がありますね。若いからと言って失言は許されませんよ、阪本君!

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コメント

にこやかに縁起のわるいほうの…と返せるさかもっちゃんさんのように、いたいものです。
その前に土にかえるがなんで縁起わるいのかわからんですが… 

来週、大坂もとい大阪を楽しんできます!

投稿: たつみ | 2018年9月29日 (土) 10時32分

「土に返る」はズバリ「死」を意味します。

私の父の田舎、茨城県でも、50年前は一部土葬でしたね。

しかし現在でも縄文や弥生時代はもちろん、石器時代の人骨も発掘される。厳密には土には返らない気もしますがね。

♪宵闇の大阪は 二人連れ恋の街~

大阪で変に若返ってはダメですよ。

投稿: soji | 2018年10月15日 (月) 22時32分

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