« 京都水族館の雀 | トップページ | 還暦を迎えて »

2017年5月31日 (水)

毎日が初体験

~ soji の今日もワクワク 227 ~

先日、家人と中華料理屋に行ったときのことです。

そこのメニューは、16ページはあるカラー冊子。写真を見て料理を選ぶことが出来ます。いつものように注文した後、料理が来るまで何気なくメニューを見続けていました。ふと気が向いて、家人に尋ねました。

「この中で、頼みたくない料理はある?」

家人が答えます。

「これとこれ。とても辛そうだし。あとこれ。見るからに美味しくなさそう」

ああ、確かに。この写真では自分でも注文しないでしょう。

しかし、あらためて気づきました。自分たちは頼まないけれど、他に頼んでいる人がいる。だから立派にメニューに載っているんだと。

歳をとると、冒険を好まなくなります。行きつけの店、お気に入りの席、定番の料理。ファーストフードでさえ、無意識にいつもと同じメニューを頼んでいます。外食に限りません。朝起きてから夜寝床に入るまで、いつの間にかルーティンで行動している自分に気づきます。

いろいろな情報を収集し、自分なりに取捨選択した結果、最短で最善な行動をとる。それが生活の知恵であり、自分なりに蓄積してきた生きるノウハウです。「安住」と言っていいかもしれません。

でもそれは本当に最善でしょうか。すべての選択肢を試した結果、これ、と決めたことでしょうか。試すことさえせず、自分に合わないに違いない。そう勝手に決めつけてはいないでしょうか。

「あなたの初体験はいつですか」

女性に問いかけたら、セクハラで訴えるわよ、と凄まれそうです。いや、変な意味ではありません。しかし突然質問されると、はて、そう言えばいつだったかと首をかしげてしまうのではないでしょうか。

初体験は、考え方次第で毎日行うことが可能です。例えば日々歩くルートを敢えて違えてみる。初めて歩く路地、初めて見るマンションの表札、初めて見上げるビルの上層階のテナント・・・初体験の材料は、好奇心を持ち、新発見を心がければ日常にたくさん転がっています。ルーティンの中でも、例えば行きつけの店だけど日ごろ頼まないメニューを頼んだり、日ごろ使わない香辛料を使うだけでも立派な初体験です。

別に心がけなくても、毎日のように初対面の人と会うし、初めて行く得意先も多いよ。私も以前はそんな時代がありました。ところがあらためて考えてみると、自分が望んで会ったり訪問したりすることはほとんどありませんでした。あくまでも自らの意志で体験する。忙しくなると、そんなことを忘れてしまう。そしてあるとき、ふと流されている自分に気がついたりするのです。

「安住」の日常を否定する。無意識に拒絶する自分がいます。それは悪いことだと。

5月9日付毎日新聞の「万能川柳」で、こんな句が載っていました。

悪いこと していないのに 句ができぬ    東京 ひねのり

掲載では常連のひねのりさんも、こうした境地に陥るのかと、妙に感に入ってしまいました。今まで書いてきた流れでこの句に手を加えるとすれば、

良いことを してばかりでは 句ができぬ

と言えるかもしれません。句に句をぶつける。まさに「くにく」の作。ひねのりさん、申し訳ありません。

初体験は、心がざわつきます。いつもの通りやればいいのに。でもいつもの通りでは、たくさんの魅力を見過ごしているかもしれません。ですから私は、毎日手帳に初体験を書き留めるようにしました。時には大外しするかもしれませんが、これはご愛嬌。まずは続けて行こうと思っています。

|

« 京都水族館の雀 | トップページ | 還暦を迎えて »

カラフルエッセイ  sojiの今日もワクワク」カテゴリの記事

コメント

soji さん同感です。
確かに歳を取ると冒険しなくなります。行きつけの店、お気に入りの席、定番料理。生活面でも定年後、毎日が日曜状態になります。
ウオーキングもルートが同じだとマンネリ化して続きません。それで、私は、都内に出かけた時は、山手線内は地下鉄を使わないで歩くことにしています。山手線内なら2,3時間で歩いてしまいます。例えば巣鴨から日本橋は2時間。運動の副産物として道を覚えます。 目白通り、外苑東通りとか。千葉の人間には新鮮です。
新しい居酒屋に入る時も、冒険心が要ります。
でも勇気を奮って暖簾をくぐろう。
そこに新しい出会い 酒、肴、呑み友が待っているかも!?

投稿: 頑固&エロ爺 | 2017年6月25日 (日) 10時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 京都水族館の雀 | トップページ | 還暦を迎えて »